此方で扱うのは2台目。元々が殆ど出てこないマイナーモデルです。東芝の大ヒット2バンドのIC-70とほぼ同じ時期に発売された2バンドで最大の特徴はポータブルになる本体と、それとドッキングして音質と音量を飛躍的に改善させるスピーカーボックスとセットになっている事です。小生記憶する限り、この方式で出されたラジオはこのモデル以外は無いと思います。本体はトップパネルに操作部分を集中させた比較的普通の2バンドラジオ、8cmスピーカー、出力0.8W。此方にドッキングさせるのが10cmの超強力アルニコマグネットを奢った専用スピーカーで、この磁気回路は多分フォスターの名機FE-103クラスかと思います。スピーカー自体は極めてオーソドックスな密閉型で、キャビネットは10mm厚の突板を4面に貼った極めて強固な物。天板の部分に本体を収納するスペースが有り、本体の後ろに有る3つのジャックとボックスから突き出た端子が差し込まれて、収納すると同時に据置型ラジオに変わるというもの。実は先に入手して販売した際にはボックスの状態が酷かったのか、前のオーナーがニスを塗っており、この処理が不味かった為に見た目を大分毀損していました。今回のものは50年以上前のものとは思えないほどボックスも本体も状態が良いものでした。電池の金具が酷く腐食しており、木螺子をねじ込んでプラス電極としています。ダイヤルライトは切れていた為、抵抗付きLEDに取り替えています。LEDは指向製が強いので麦球の雰囲気が少し削がれていますがご容赦の程。代わりに耐久性はあると思います。入手時点ではスイッチも入らずボリュームもガリが多く、問題は多かったのですが、各部の接触を良くする事で見違える程良い状態になりました。特に専用ボックスに入れて据え置き型にすると可也良い音です。帯域は広くはなく、寧ろ現在の耳では狭いと思われるでしょうが、歪みが少なく、無理が無く楽々と出てくる自然な音で、感心しました。これが実力の様です。ポータブルの本体はそれ程自慢できる様な美音では有りませんが、ボックスに入れて実力を発揮する様です。ここ迄の状態のものは見た事がありません。側面に一箇所突板の剥がれがありますが、それ以外は美品です。機能面でも問題は無く、ボックスに入れた時に使いやすいように根元が引き出せるアンテナも良く工夫されています。電池付。
商品の情報
カテゴリー | 家電・スマホ・カメラ > オーディオ機器 > ラジオ |
ブランド | 東芝 |
商品の状態 | やや傷や汚れあり |